ケース 1
獲得単価(CPA)が高騰化して頭打ちのECを、わずか半年で売上3倍に伸ばすことに成功
当時の状況と抱えていた課題
個人向けの雑貨販売を行っている同社では、3年前からECサイトを運営しており、はじめのうちは広告代理店に委託していたリスティング広告やリターゲティング広告を中心に堅調に獲得できていたが、最近急に獲得単価が高騰してしまい、徐々に打ち手がなくなってきている状態でした。
また、EC担当者ひとりですべてを行っているため、受注や出荷業務のかたわら販促のことを考えないといけないのですが、売上を伸ばすために何から手を付ければいいのかわからないという悩みを抱えていました。
弊社に期待したこと
- 獲得単価が高騰しているため、新たな新規獲得方法を見つけたい
- 売上が低迷する原因が分からないので一緒に原因追求を行いたい
- あまりお金をかけずに集客できる方法を知りたい
問題解決のためのアプローチ
まずは目標設定の確認を行い、現状の2倍である年4,000万円を共通の目標設定としました。各種売上データを調べていると、新規顧客の比率が9割を超えていることに着目。すぐに過去に購入いただいた方への対応状況を聞いたところ、ほとんど何もできていないことがわかり、すぐに登録しているメールアドレスの活用方法について検討をはじめました。
同社の平均購入単価は4,000円、広告での獲得単価は5,000円以上にまで高騰していたため、売れば売るほど赤字になる状態でした。そこで、新規向けの広告費を半分に減らして、残りをリピート顧客のためのキャンペーン費用にあてることを提案。いきなり減らすのは怖いので、まず2割だけ減らすことで実験的に行ってみました。
サービス導入による成果
過去に登録いただいた5,000件以上のメールアドレスのうち、実際に開封してもらえたのは2割ほどでしたが、それでも1,000人のユーザーがキャンペーン情報をチェック。そのうち50人のユーザーがその日のうちに商品を購入してくださいました。
想定外だったのが合わせ買いが多く、客単価が通常の2倍以上と高かったこと。すでに商品の良さを知っているので安心して購入できるためだと想定。わずか1回のメルマガで400万円の売上をあげることができたことに手応えを感じていただき、週に2回のメルマガ配信と、未登録ユーザーにはDMを送付することにしました。
ユーザーが関心を持ちそうな企画やキャンペーンをメールやDMで案内することで、何度も購入してもらえるよう、リピート率を社内指標にして運用を行いました。
その結果、リピート客の獲得単価は500円程度と新規の1/10に抑えることができ、全体の売上も当初計画を上回る3倍以上にまで伸ばすことができました。
成功のポイント
ECビジネスは新規で種を蒔いて、リピート客で収益化を行うビジネス。そのため、顧客のリピート化が極めて重要。理想は新規3:リピート7の割合。
集客が大切なのは言うまでもありませんが、その前に自社の資産でもある顧客リストをもう一度チェックしてみよう。意外と眠ったままの企業は多いです。
売上データを見るだけでも、このような課題はすぐに発見できます。ガンガン広告を打って頑張るよりも、このように効率の良い方法を発見することのほうが売上へのインパクトが大きくなることもあります。