こんにちは!
みらいマーケティング本舗・代表の堀野です。

わたしたちはEC専門のコンサルタントとして、ECサイトの新規立ち上げから既存ECサイトの売上改善まで、企業様のECビジネス全般のご支援を行っております。
売上100億円を超えるクライアントもいる「ECビジネスのプロ」として仕事をしております。
ご興味ある方は、まずはお気軽に無料相談からお問い合わせください。
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「EC事業を新たにスタートしたいけど、どのくらい費用がかかるの?」

このようなご相談が数多く寄せられますので、参考にしていただくために具体的な実例を元に、EC事業を立ち上げる場合に必要なコストについての解説記事を書きました。これは、実際に私がコンサルティングさせていただいている企業のケースに応じた現実的なケーススタディとなりますので、これから新たにEC事業を立ち上げようとお考えの中小企業の方は必見の内容です。

結論から申しますと、仮に初年度で売上1,000万円を目指すのであれば、最低でも同額以上の予算を考えておくべきです。初期コストに2〜3割、残りを運営コストに分配する場合が多いです。具体的な金額感や、実際にどのような費用がかかるのかすぐにを知りたいと言う方は、途中を読み飛ばしていただいて、ページの下部にあるコストシミュレーションをご覧ください。

EC事業立ち上げ=ECサイト構築ではない

最初によく勘違いされているのが、ECの新規事業を検討する際に、ECサイトの構築費用だけしか考えていないケースです。これは、今までリアル店舗での事業展開や、卸販売など直販ビジネスの経験がない企業に多いです。

よく考えてみてください。
ECサイトをせっかく作っても、誰にも来てもらえなければ当然売上は増えませんし、お店を運営するためにかかる固定費、変動費を考えておかないといけません。ECビジネスはECサイトをつくった時点がゴールではなく、そこからスタートするものです。

つまりECサイトの構築費用以外にも、お客様を集めるための集客コストや、EC商品の開発コスト、受発注や顧客管理を行うシステム費、商品送料、クレジット決済手数料など、EC事業を行うには様々な費用が必要となってきます。そのため、最初の予算を組む段階で、ECサイトを作る以外の費用も見込んでおかないと、いざECサイトが出来上がっても予算がなくて何もできないという最悪の事態になりかねませんので、当ページで紹介するコストシミュレーションを参考にしてみてください。

売れるECサイトをつくるために必要なこと

私たちは企業様に対して「売れるECビジネス」をプロデュースするお仕事を行っています。わかりやすく言い換えると、売れるECの仕組みづくりをお手伝いする仕事だと言えます。単にECサイトを作るだけであれば、Web制作会社に頼んだほうが早いですし、安く作ることができます。しかし、残念ながらどんなに見栄えが良くかっこいいECサイトを作ってもそれだけでは絶対に売れません。

売れないECサイトの特徴

私たちにご相談いただく内容で多いのが、「過去に制作会社に依頼してECサイトを作ったけども全然売れないので何とかしたい」とお悩みの企業がほとんどなのです。これらの経験から売れていないECサイトの特徴をあげてみましょう。3つ以上当てはまっている場合は、結構やばいですよ(笑)

  • 制作会社に丸投げして作ってもらった(しかもなるべく安くで)
  • ショッピングカートシステムに、既存の商品を並べただけ
  • 写真や説明文はカタログの情報を流用
  • つくったきりであまり更新をしていない(商品の追加程度)
  • 売上以外の数字をあまり見ていない
  • EC専任担当者がおらず、空いた時間に対応している
  • できるだけたくさんの商品を並べている
  • メルマガ等のリピート施策ができていない

売れるECサイトの特徴

逆に売れるECサイトの多くが、以下の要件を満たしています。見た目の綺麗さと売上の相関性はあまりなく、これらのことをしっかり出来ているサイトはちゃんと売上を伸ばせています。

  • お客様のことを誰よりも詳しく理解している
  • 3年分の事業計画があり、予実管理を行っている
  • 商品説明に魂を込めて作っている
  • ひと目で魅力が伝わる写真と短いコピーを使っている
  • 顧客リストを集める仕組みができている
  • 一度買ったお客様がリピートするための仕組みがある
  • ECビジネスの収益モデルがしっかりと理解できている
  • EC専任の担当者がいる
  • 専門家をうまく活用している(決して丸投げではない)
  • ECサイトが見やすく、迷わせない作りになっている

EC事業成功のポイント

ECビジネスというのは、売り場がネット上にあると言うだけで、通常の新規事業立ち上げと同じプロセスを踏むべきなのです。そのため通常の新規事業と同じく、以下のようなポイントが当てはまっているかどうかをチェックしてみるとよいでしょう。

  1. 時流に乗ったビジネス
  2. 競合にない独自性のあるサービスづくり
  3. ターゲットの明確化
  4. 継続的に運営できる体制構築
  5. 売れる仕組みづくり

【関連記事】成功しやすい中小企業の特徴とは?

【結論】赤字が怖いならEC事業はやらないほうがいい

厳しい現実をお伝えしますと、EC事業は先行投資型のビジネスです。ゼロからEC事業を立ち上げる場合は必ず赤字からスタートします。初年度は赤字で2年目で黒字化できれば大成功と考えておいてください。

例外をあげると、原価率が10%程度と低い商材、非常に認知度の高いブランド、既にアプローチできる顧客リストが数万件あるなどのケースは別で、初年度から黒字化できる可能性もあります。しかし上記以外の企業が「すぐに月商500万円にまで伸ばしたい」「初年度中に黒字化したい」などという期待感だけでEC事業をスタートするのであれば、やめておくことをオススメします。

通販ビジネスは「新規顧客で種を蒔いて、リピート顧客で収益化する」ビジネス

絶対に覚えておいていただきたいのが「通販ビジネスは、いかにリピート顧客を増やせるか」が最重要ポイントだということです。

事業をスタートした頃はお客様がゼロからのスタートとなりますので、まずは見込み客を集めるところからはじまります。ECビジネスのスタート時期は「顧客を仕入れる」ための広告投資が大きなウエイトを占めますので、売上よりも販促費や初期コストがかかってしまい赤字からのスタートになります。

では、具体的な事例を元にさらに詳しく説明をしていきます。

新規顧客数とリピート顧客数の比率

上記のグラフをご覧ください。青が新規顧客、オレンジがリピート顧客を示します。ご覧のとおり、最初のうちは新規獲得した顧客が大多数を占めますが、一度買ったお客様が2回目、3回目と購入を続けてくれるようになると徐々にリピーターの比率が増えてきます。

一般的に、新規顧客の獲得コストは、既存顧客をリピートしてもらうよりも5倍以上も費用がかかると言われています。新規顧客の場合、広告や口コミでまず自社の商品の存在を知ってもらってから、他社と比較して、迷って検討した末にようやく購入してもらうことになります。初回の特典や大幅なディスカウントが必要な場合もありますので、購入してもらうまでに時間もコストも多くかかってしまいます。

既存顧客の場合はというと、既に商品を使って良さを理解してくれているので、わざわざ広告を打つよりも、メルマガやDM等で直接アプローチするほうが効率的になってきます。SNSや会員サイトを通じてコミュニケーション深めることで自社のファンになってもらえると、そのユーザーが周りに拡散してくれたり、時には友人を紹介してくれるようになってきます。
このような状態にできると、リピートを増やすコストは大幅に削減されて、その分利益が積み重なってくるという訳なのです。

ECビジネスにおける、単月利益と累計利益の推移

上記は、ECビジネスをはじめてから収益化するまでの時間軸をグラフにしたものです。これはどのような商材やサービスでも、ほとんど同じような曲線を描くことになりますので、しっかりと意識しておいてください。最初は初期コストがかかるため赤字からのスタートとなります。徐々にリピーター比率が増えてくると単月で黒字化ができるようになり、順調に進めばすぐに累積でも黒字化ができるようになってきます。ここを超えると、あとは加速度的に売上も利益も伸ばすことができるようになってきます。

ECビジネスでは、赤字から黒字へと転換できるまでが一番ツライ時期なのです。多くの企業で「売上が伸びないから」「赤字のままだから」という理由で撤退してしまうのは、このフェーズを我慢できずに諦めてしまっているからなのです。もしかすると順調に進んでいるにも関わらず上記の理由で撤退している企業があるとすればもったいない話です。むしろ赤字なのは当たり前で、本当に大切なのは計画通りに進んでおり、黒字化までの道筋が見えているかどうかなのです。

繰り返しとなりますが、ECビジネスで成功するためには「リピーターをいかに増やせるかが最重要ポイント」となりますので必ず覚えておいてください。

【参考記事】ECサイトの構築方法と成長ステージ

だからこそ戦略や事業計画が重要になる

ECサイトで売上が伸びないと悩んでいる企業のほとんどは、明確な戦略や計画も無しにいきなりECサイトを立ち上げています。逆に言えば、正しい戦略や計画があれば、時間はかかっても高い確率で成功ができるのです。私が実際にご支援させて頂く場合も、必ず最初に戦略や計画を一緒に考えてからEC事業の準備へと進めるようにしています。

EC事業は先行投資型のビジネスとなるため、赤字を覚悟して事業をスタートしないといけないことは既にお話ししましたが、「じゃあ、黒字化できる見込みはいつ頃になるのか?」と当然思われるはずです。

「たぶん来年頃にはできるかな」「やってみなければ分からない」では怖くて投資ができないことでしょう。どのビジネスでも大切なのが、リスクをできるだけ抑えつつ積極的にチャレンジすることが成功の秘訣と言えます。そこで重要となるのが「戦略」と「事業計画」です。

ECにおける戦略とは?事業計画とは?

「EC戦略」とは、市場動向や競合について理解したうえで、自社のEC事業の方針を固めることです。誰をターゲットにするのか?どんな商品・サービスを提供するのか?どうやって顧客を増やすのか?それらを明確化にして、中長期的な筋書きを描きます。ここで描く戦略は単なる理想論ではなく、企業の実情や社内リソースも考慮して、実行可能なストーリーでないといけません。

「事業計画」では、主に売上とコストを軸に収益の見込みを立てていきます。月別の新規顧客とリピート顧客の獲得目標や、売上とコストを算出して、どのくらい利益が見込めるのかをシミュレートしていきます。さらに、売上目標を達成するために、必要なアクセス数、客単価、成約率、リピート率などのKPIに落とし込んでいくようにします。ここまで掘り下げると、具体的に施策レベルにまで落とし込むことができるでしょう。

戦略や事業計画もなしにEC事業を立ち上げようとするのは、地図を持たずに見知らぬ土地に旅立つようなもので、無駄な遠回りをしてしまうだけでなく、途中で予算が尽きて撤退ということにもなりかねません。時間をかけてでもしっかりと行うことがリスクを回避でき、成功率が高いEC事業をスタートすることにつながります。

最初にスモールテストを行うことをオススメ

いくら緻密に計画を練ったとしても、予測できないことも多く、計画通りに進まないケースも多くあります。そのため私がオススメするのがまず最初に小さくテストマーケティグを行う方法です。

例えば、一部のユーザーだけに商品を使ってもらって意見や感想を集めたり、ごく限られた人を対象に先行販売をして、広告の反応や獲得効率を確認する方法などがあります。これらのテストを行うことで、市場の反響をみてから本格的に事業展開することができるため、大きな失敗を防ぐことができ、自社の強みやアピールポイントを再確認することができますので、可能な限り実施することをおすすめします。

【関連記事】20年以上のマーケティング実務経験でわかった”成功”の秘訣とは?

【実例】EC事業の立ち上げに必要なコストシミュレーション

ここではケーススタディとして、新たにEC事業を立ち上げるときにかかる費用について詳しくお伝えしていきます。業界や商品によって金額の違いはあると思いますが、これらを理解しているだけでEC事業をスムーズに進めることができますので、ぜひチェックしてみてください。

企業プロフィール

年商10億円規模の食品メーカー。現在は、自社製品を卸売業者を通じてスーパーやデパート等での販売が中心。コロナ禍の影響で売上の低迷が続くため、今後の新たな収益の柱にするために新たにEC事業を立ち上げる。初年度に年商1,000万円、3年後に年商1億円を目指す。
EC専任の担当者を1名を配属予定。

初年度売上:1,000万円
客単価:5,000円
受注件数:2,000件

初期費用

項目費用
サイト制作費100〜200万円
システム費10〜20万円
パッケージ制作費10〜30万円
同梱資料制作費10〜50万円
撮影、原稿制作費10〜50万円

初期費用: 150〜300万円

運営費用

項目費用
原価(原価率30%として)300万円
広告宣伝費(獲得目標による)400万円
送料100万円
システム費30万円
決済代行手数料(5%として)50万円
運営業務代行費120万円
コンサルティング費240万円

年間運営費用: 1,240万円

ご覧のとおり、シミュレーション上でも、売上1,000万円に対して、初年度にそれ以上のコストが発生するため赤字からのスタートになります。特に集客目的の宣伝費は、顧客リストの有無で大きく変わってきますので注意しておきたい項目です。順調に顧客獲得ができると、2年目以降に黒字化が見込め、さらにそれ以降にリピーターの増加とともに売上が急成長してくるため、目標となる1億円達成への道筋が見えるようになってきます。

ここでは詳細は割愛しますが、シミュレーション策定時には、必ず原価率、リピート率、顧客獲得単価などのKPI設計が必要となります。それらの数字があることで、収支シミュレーションの精度がぐっと高くなります。できればシミュレーションはひとつだけでなく、様々なケースを想定して複数のシナリオを考えていきます。成果を最大限に伸ばした場合の「ポジティブシナリオ」、最悪の場合を想定した「ネガティブシナリオ」、現実的な落とし所となる「通常シナリオ」の3本を用意しておくとよいでしょう。これがあることで、経営者の意思決定も行いやすくなりますし、これをそのまま目標設定にすることができます。

今後3年間の数値シミュレーションで中長期の目標を考える

私たちがご支援をさせていただく場合は、少なくとも3年分のシミュレーションを作成します。原価率やリピート率、CPA(獲得コスト)、新規獲得数などの各KPIを設定すると自動的に売上や利益を算出できる独自のExcelシートをご用意させていただきます。これは数字をコミットするためものではなく、仮にこれらの条件で売れた場合の売上やコストについて把握していただくためです。

仮にリピート率を10%アップしたり、原価率を5%削減した場合に、今後の売上や利益がどう変化していくのかを具体的な数字で見ることができるため、最初は赤字だけど、いつ頃に黒字化ができ、何年後に売上目標を達成できるのかといった、中長期の成長度合いが可視化できるようになります。

もちろん、初期段階の数字は皮算用に過ぎないのであくまで参考程度にしかなりません。
運用を行いつつ何度も修正を重ねていくことで徐々に精度が高まり、最終的にはこの分析シートを使うことで、いくら投資したらどれだけ売上や利益が伸ばせるかを、かなりの精度でシミュレートできるようになってきます。

まとめ

今回の記事内容は、コストの話だけではなく、ECビジネスに対する考え方や視点についてもお伝えしましたので、これをしっかりと頭に叩き込んでいただけると、お役に立てるのではないかと考えています。

コロナ禍の影響でECサイトがさらに増えてくることが予想されますので、競合に負けない売れるECサイトづくりを目指すために、ぜひ私たちのようなECビジネスのプロを活用することを検討されてはいかがでしょうか?無料相談を実施していますので、お気軽にご相談ください。

  • EC事業をはじめるのにはECサイト以外の費用のほうが多くかかる。
  • ECビジネスは、赤字からスタートするものである。
  • 戦略や計画がないECビジネスは必ず失敗する。
  • ECビジネスは、黒字転換するまでが一番しんどい。
  • さまざまなケースを想定して複数のシミュレーションを立てるべき。
  • ECサイトを公開してからがビジネスのスタートである。