こんにちは!
みらいマーケティング本舗・代表の堀野です。

Web担当者ってどんな仕事内容なんだろう。
Web担当者になるにはどうしたらいいのかな。
そもそもWeb担当者とマーケターとの違いや必要なスキルって?

よく耳にしますが細かいことは分からない事が多いですよね。

Web担当者は、Webを活用した戦略立案や施策を行い、自社のサービスや商品が売れる仕組みを作る役割を担っています。Web以外にもビジネス全般の知識や経験が求められるなどその業務は多岐に渡ります。

私自身、10年以上Web担当者として現場担当者から事業責任者までの幅広い実務経験があります。年商数十億円の大規模サイトの責任者として働いてきた経験からWeb担当者について詳しくご紹介します。

この記事を読むゴール
  • Web担当者についての基礎知識が理解できる
  • 目指すべきWeb担当者像が明確になり、自分が何をすべきかが分かる
  • これからWeb担当者を目指したい人や、新任Web担当者のキャリアパスを理解できる

この記事を書いた人

堀野正樹(ほりのまさき)丨みらいマーケティング本舗代表丨独立前は、事業会社のマーケティングの責任者として70億円のEC事業を牽引。現在はECコンサルタントとして企業のECサイトの売上アップをご支援しつつ、自身のサイトを運営。Webマーケティングの情報をSNSで初心者向けに発信 しています。
Twitter: @horino_ec丨プロフィール紹介はこちら丨サービス紹介はこちら

Web担当者とは?

あなたはWeb担当者と聞いてどんなイメージを持っていますか?

世間では自社Webサイトの管理者ぐらいに思われがちなのですが、実際は企業におけるネット事業領域を広く受け持つ役割を担います。Webを活用してお客様を集めて、自社の商品を知ってもらい、その結果売上を伸ばすことがWeb担当者に期待される役割なのです。

企業によって異なりますが基本的な仕事内容として、以下のような業務を行います。Web担当者ってめっちゃやるべきことが多いんですよ!

  • Webサイトの制作・更新業務
  • Webサイト用の企画立案
  • ネット広告を活用した集客
  • Webサイトの制作・更新業務
  • 販促企画立案
  • ネット広告を活用した集客
  • SEO対策
  • SNS運用
  • メールマガジンの配信
  • 社内ブログの更新
  • アクセス解析

マーケター職種の分類

決まった言葉の定義はありませんが、Webマーケティング業界に関わる人の総称をWebマーケターと呼んでおり、その中でも企業内の担当者をWeb担当者と呼ぶのが一般的です。

下の図は、Webマーケターの職種分類を行ったものです(私のイメージです)
Webマーケターの多くが広告代理店やツールベンダーに勤務するスタッフで、企業内で働くWeb担当者はまだまだ少ないのが現状です。

Web担当者と支援会社マーケターの比較

マーケターと呼ばれる職種には大きく事業会社で働く「Web担当者」と、広告代理店やツールベンダーで働く「支援会社マーケター」に分かれます。同じマーケターでも求められるスキルや仕事内容が全く異なりますのできちんと理解しておきましょう。

分類Web担当者支援会社
スキルマネジメント力専門スキル
成果売上・利益コンバージョン
担当領域事業全体自社サービス
メリット幅広い領域の経験
お客様が見える
中長期視点
専門スキル
複数企業の情報
デメリット社内調整・社内政治
採用枠が少ない
孤独
意思決定ができない
目先の数字のみ
経験領域が限定的

似ているようでまったく違う職種となります。自身のキャリアを考えて選びましょう。

働き方ってどんな感じ?

Web担当者はメーカーのような事業会社に所属して働く事が多いです。所属する部署は企業によって様々で、独立した組織の場合もあれば、広報部、システム部、総務部といった部署の一部として働くこともあります。

規模の大きな会社であれば、専任のWeb担当者として働くことになりますが、中小企業の場合は、他の仕事と掛け持ちで兼任しながらWeb担当者としての業務も行うほうが多いかも知れません。そのため仕事を抱え込んで残業しながら働く人も多いと聞きます。(私はあまり残業しませんでしたが)

ただし、昨今では企業のデジタル化促進に伴い、Webやデジタルの活用が企業の成長に直結するようになってきていますので、今後はWeb担当者への期待値や役割も大きくなってくることでしょう。

年収ってどのくらい?

Web担当者年収というデータは見つけられませんでしたが Web マーケター全体でみると平均年収は541万円という調査結果ががあります(doda社調べ) 

全職種の平均が436万円(国税庁調べ)ということを考えると Web マーケティング業界の年収はそれよりもだいぶ良いということがわかります。しかもWebマーケターの多くは20〜30代なので同年代の給与水準よりも高いと思われます。

もう少し詳しく求人情報の詳細を見てみると、同じWeb担当者でも企業規模や職種・担当領域によっても大きな違いがあります。以下は求人情報からみたおおよその相場です。

  • ホームページの更新などの日常業務行う担当者 →300〜400万円
  • データ分析や集客などのスペシャリスト →500〜600万円
  • チームをマネジメントするリーダー →600〜800万円
  • 事業責任者や CMO クラス →800〜1,500万円

デジタル人材の不足はますます顕著になってきていますので基本的なスキルや経験を持ったマーケターであれば今後ますます市場価値が高まることは言うまでもありませんね。

この記事を読んでくださっているあなたは、少なくともWebに関連する仕事をしているか、これから働こうと考えている方だと思いますが、強い想いと行動力さえあれば、Web担当者になることは十分可能だと思いますよ。

今後の需要はどうなりそう?

結論から言えば、今後のWeb担当者の需要はますます高まります。

インターネット広告費がテレビメディアの広告費を抜くなど企業としてもテレビからインターネットへと予算をしてシフトしています。さらに経済産業省の調査データでも2030年にはIT人材が79万人も不足するという試算が報告されています。

IT人材
経済産業省の調査(2019年3月)

このようなことから、Web マーケティングに関する基礎的な知識と商品やサービスを売るためのマーケティングの知識の両方を兼ね備えたマーケターの需要は今後ますます高くなることが見込まれます。

そういった人材を採用したい企業側も、優秀で即戦力となる人材はなかなか獲得ができないため、経験が浅い人材や未経験者も視野に入れて求人を出すなど全体的にハードルが下がってきている傾向も見られます。

国内のWebマーケターの人数は2万人?

少し前のデータですが、株式会社ビデオリサーチインタラクティブが行った調査によると国内のデジタルマーケターの数は2万人程度とのことでした。

ただしこれは主要企業2,000社に対する調査だったので、中小企業を含めると実際はもっと多いと思われますが、国内の企業数が約400万社ということを考えると、その十倍の潜在需要がまだまだ眠っているとも言えます。

仮に国内企業の半数が、社内に1人のWeb担当者を置くことになれば200万人もの需要が発生するわけです。

<参考情報>
https://www.videoi.co.jp/news/181120.html

専門化・複雑化するWebマーケティング 

ITテクノロジーの進化によって、Webマーケティングが複雑化・専門化している傾向があります。今後期待される役割は二極化されると思います。

一つは Web マーケティングの専門スキルを持ったスペシャリスト人材。もう一つは、マーケティングを活用して企業の売上を増やすためのマネジメントを得意とする人材です。

 Web 担当者にとって必要なスキルセットはどちらかといえば後者寄りですね。むやみにスキルを身につけようとするのではなく、自身の強みと不足しているスキルを見極めて、どのようなマーケターを目指したいのかを考えながら成長を目指すようにしましょう。

Web担当者の役割とは?

Web担当者になったら

突然、Web担当者に任命されたけど、正直何をやったらいいのか分からないという方も多いのではないのでしょうか?いきなりホームページの分析を始めたりSEO対策から手をつけたりしようとしていませんか。

1. 商品とお客様のことを理解する

まず最初に必ずやるべきことは自社の商品やサービス、そして購入いただいてるお客様のことをよく理解することです。

ここで言う商品のスペックや特徴をするだけではなく自社の商品がなぜ市場で受け入れられているのか競合商品との違いは何かといったことを理解すべきなのです。

お客様の理解についても、買ってくれたお客様がどのような人なのか、なぜ自社の商品を買ってくれたのかという点まで深く理解をしていくべきです。

2. 競合他社を分析する

よっぽど独自性が高くオンリーワンの商品でない限り、必ず競合との比較をされることになります。そのために他社の製品の特徴や価格品揃えアフターサービスといった様々な角度から競合企業を調べていくことを行いましょう。

もちろん調べて終わりのままではいけません。

競合他社の弱いところ、かつ自社の強いポジションを発見して、ユーザーにとって有益な商品サービスのアピールを行うことで競合に勝てる方向性をみつけることができます。そうやって生み出されたものが「戦略」です。

戦略がないまま、手段だけを進めてしまうと、頑張っているのに成果がでないばかりか、逆に本来の目的とは異なる方向に進んでしまうことにもなりかねません。

「戦略」→「戦術」の順番を意識して仕事を行うようにしましょう。

今と昔の役割の違い

以前のWeb担当者の役割

自社Webサイトの運用や更新業務など、基本的には自社Webサイトの管理者という立場でした。他の部署との連携もありますが、お知らせの公開作業やページの修正/追加といった軽微な内容が中心となります。依頼があれば動くという受け身の状態であることが多かったです。

現在のWeb担当者の役割

企業のデジタル化推進の旗振り役となり、他の部署も巻き込んで仕事を進めていくことが求められています。顧客理解や会社全体の事業理解も必要となります。Webだけで仕事をやろうとすると限界があります。

例えば「顧客サポートをWebチームが受け持つ」「営業のためのリード集めの仕組みづくり」という感じで他部署も巻き込んでWebチームの存在感を高めていけば、さらに大きな仕事を任せてもらえるようになるでしょう。

もちろん従来の自社Webサイトの運用という基本業務も担うことになるため、今まで以上にハードワークになります。

Web担当者の仕事内容や必要なスキル

結論から言えばWeb担当者に専門的な技術スキルは不要です。

それよりも事業全体の観点から幅広い業務をバランスよくこなすことができる「器用貧乏」が武器になります。「得意領域は95点で、その他が20点」よりも「全部の領域で70点」のほうが周りを見渡しても活躍できている人が多い気がします。さらに経験を積むと「全部80点」へと成長できます。実際10年以上Web担当者を経験した私も、これは誰にも負けないというスキルは持っていません(笑)

ここではWeb担当者が行うべき業務内容の一例を紹介していきますね。
各業務内容を詳しく説明するとそれぞれで本を1冊書けるほどの大ボリュームになってしまいますので、概要だけをお伝えしますね。

1. Web広告

社内で運用しなければ、各広告の種類と特徴、活用方法などを把握しておけばまずは十分です。広告の細かな内容を理解するよりは、広告代理店と協業する際にしっかりと会話ができるレベルであることが大切です。これができないと、広告代理店に丸投げすることになり、適正なチェックが機能せず、結果売上につながりにくくなりがちだからです。

2. SEO対策

集客のなかでも自社で取り組みやすいのがSEOです。広告は一時的な集客になるのに対し、SEOは継続的な集客が蓄積できますので、しっかりと取り組んでおきたい施策のひとつです。

SEOに関する基礎知識や、Googleのアルゴリズムやアップデートの理解はしておきたいところです。

3. Webサイト制作

Web担当者に必要な制作関連の知識は、サイト設計やUIに関する知識です。ユーザーにとって使いやすく、自社で管理がしやすいサイト設計にすることが欠かせません。HTMLやCSSなどプログラミングの知識は、ソースを見て何が書かれているのかが何となく分かるレベルにはしておけばいいのかなと思います。

4. データ分析・アクセス解析

 Web 担当者が行うデータ分析には大きく二つのパターンがあります。

一つは Web サイトのアクセス解析です。もう一つは企業のビジネスデータの分析です。

データは宝と言われるほど、企業の貴重な資産になっているのですが、宝の持ち腐れになっている会社も多いです。数字に強いマーケターはどの業界でも活躍が期待できるので、必須のスキルだとも言えますね。

5. コンテンツ

ユーザーにとって最も関心が高いのがコンテンツです。ユーザーが本当に知りたいのは、その商品を使うことで自分にとってどんなメリットや生活の変化があるのかということです。加えて商品の活用事例、困ったときのサポート情報、お客様の声なども関心の高いコンテンツです。またメルマガでの情報発信もコンテンツのひとつです。 

コンテンツはユーザーがどのような情報を求めているのかをしっかり理解した上で作らないと企業の独りよがりになってしまいますので注意しましょう。

6. プロジェクト管理

Web担当者の仕事は、企業の活動と連携しているため、通常1年単位で計画を立てることが多いです。そのため目先の仕事と中長期の仕事の両方を管理していく必要があります。管理する項目としてはスケジュール、予算、目標数値などが挙げられます。

7. 予算を獲得する

最適な予算計画を立てて、会社から予算を獲得することは Web 担当者の重要な仕事のひとつです。

EC サイトであれば売上金額(もしくは利益)が目標となります。上司や経営者に承認してもらうために、資料作成、ロジックの組み立てのスキルが問われます。
私自身がWEB担当者をやっていたときは、予算を取るところが一番大きな仕事だったかも知れないくらい、時間や神経をつかって準備していました。

8. 外部パートナーの活用

 Web 担当者の仕事内容は非常に多岐に渡りますので外部パートナーを活用することが一般的です。

一例をあげると広告代理店、制作会社、システム会社、コンサル会社などが挙げられます。依頼する仕事の目的や役割、数値、スケジュールといったところまでしっかりと説明を行い、外部パートナーが迷わず動けるような環境を整えてあげることも大切な役割のひとつです。

9. 提案力

  他部署や経営層へのプレゼンを行うことも多々あります。 計画している施策の概要、実施するメリットとリスク、目標数値などの内容をシンプルにまとめて魅力的な提案することが求められます。

10. 情報セキュリティ・法務

最近重要性が増してきているのが情報セキュリティや法務の知識です。 

Web サイトに脆弱性や問題がないかといった基礎知識で、後者は法令やWebに関する規制などの理解となります。 ECの場合、景品表示法や薬機法などの知識が必要になることが多いです。またSNS が普及した昨今では炎上対策といった知識も求められるようになってきています。

11. ブランディング 

ブランディングは必ずしも Web 担当者の主業務ではないケースが多いですが、会社のガイドラインに沿ってウェブサイトのブランド構築を行うという意味では知っておかないといけない知識です。

業務範囲が広いのがWeb担当者の特徴。浅く広く身につけていくようにしましょう。

Web担当者が抱える悩みとは?

ここでは私が Web 担当時代に感じていたことや、多くの Web マーケターがよく抱える悩みをご紹介いたします。

1. 孤独

多くの企業では Web 担当者が一人だけとなっています。つまり相談できる相手がいないということです。また Web というだけで「良く分からないもの」と敬遠されがちで Web 担当者に丸投げされているということも多いです。

2. 業務量が多すぎる

上記でもご紹介した通り Web 担当者の業務範囲や業務量はとてつもなく広く多いものとなります。たった一人で進めいといけないことも多く、しかも予算が限られているため自分で残業して頑張ってしまうという悪循環になりがちです。

3. 社内調整が大変

Webサイトを運用する上で他の部署との連携や上司の承認や理解を取ることが必要になってきます。場合によっては事前に根回しをすることや他部署の仕事も手伝ってあげることで仕事を進めやすくする環境を整えることも Web 担当者の仕事の一つです。

4. 評価がされにくい

そもそも調子が良くのことを詳しくないと Web 担当者の正しい評価はできません。多くの会社ではウェブサイトの管理者程度の認識となっており苦労の割に評価されないといったケースも見受けられます。

5. 将来のキャリアが不安

 Web という業界自体が新しいため明確なキャリアパスが定まっていない状況です。ただしっかりとした Web の知識や経験を積んだ人材であればどこの企業からも引き合いがありますので自身で考えてキャリアを築いていくことができます。

6. 独学で学んでいく必要がある 

 Web の世界では日々新しいテクノロジーや商品が開発されているため知識や情報の更新が欠かせません。それらの情報を積極的に学んでいくことが必要になりますのでWebのことが好きでないと結構大変かもしれません。

7. 専門人材の採用が難しい

人手が足りないので新たに採用しようと思った場合でも デジタル人材の深刻な不足のため、なかなか採用することが難しくなっています。そのため最近では社員登用にこだわらず業務委託といった形で補うケースも増えてきています。

8. スケジュールがタイト

なぜか Web というだけで「すぐに」「かんたんに」というイメージが根強いです。

そのため求められるスケジュールもタイトになりがちです。きちんとやるべきことを列挙して順序立てて組み立てることで現実的なスケジュールをこちらから提案するようにしましょう。

大変な仕事ですが、自分が好きなことを仕事にできていると思えば、これらを苦労とも思いませんでしたよ。

Webマーケティングでよく登場する専門用語

Webマーケティング業界では、やたらと3文字の専門用語が多いです(苦笑)
下記に紹介するワードは、仕事を行う上でよく登場する言葉なので、どういう意味なのかを理解できるようにしておきましょう。これを知らないとそもそも会話も成り立ちませんからね。

最低限知っておきたい基礎用語

Web担当者のキャリアプラン

Web業界自体が新しいため Web 担当者の明確なキャリアパスはまだ定まっていません。

これは逆に考えれば大きなチャンスとも言えます。「Webのことなら彼に任せておこう」となれば一つの部署を任せてもらえることにも繋がりますし、成果を出せば社内でのキャリアアップも可能となります。

またデジタル人材はどの企業も求めていますので、自分がチャレンジしてみたい仕事やプロジェクトに関わりながら成長するために転職するのも一つの方法です。

ひとつの参考事例としてWeb 担当者としてのキャリアのステップを下図にて示してみました。ぜひ参考にしてみてください。

Web担当者になるための方法

ここまではすでに Web 担当者になっている方に 向けての内容でしたが、 これからWeb  担当者を目指す方がどうすればWeb担当者になることができるのかをお話ししていきたいと思います。

未経験から目指す場合

あなたが マーケティングの未経験者だった場合。多くの企業が即戦力としての人材を求めているため未経験者の採用という求人はそう多くはありません。

未経験から Web 担当者を目指す場合、二つの方法があります。

一つは未経験でも可能な求人を探して、まずは現場経験を積むためにまず入社する方法です。
その場合、見習いのような立場からはじめることになります。

企業内マーケターとしての経験はなくとも、個人でブログやホームページを運営していたりアフィリエイトで収益を得ているといったことでも十分アピールポイントになります。

もう一つは広告代理店や制作会社といった比較的採用枠の広い職種を経由してからWeb担当者を目指すというパターンです。

ただしWeb担当者になるまでに時間がかかってしまいますし、広告代理店や制作会社で求められるスキルと Web 担当者で必要となるスキルは全く異なるものとなりますので、しっかりとキャリアプランを考えてから行動するようにしましょう。

マーケティング経験者が目指す場合

あなたが既に広告代理店や制作会社 ツールベンダーなどでの就業経験がある場合、 Web 担当者として入社することは比較的容易だと思います。

ただしWeb 担当者の仕事は非常に多岐にわたりますので、特定の専門性を持っている人よりも、幅広い業務をマルチタスクで実行できる人のほうが重宝されがちです。そのためこれまでの得意分野だけでなく、新たな知識を幅広く身につけていく姿勢が必要となります。

またWeb 担当者は基本「孤独」です。大きな企業でない限り、1人担当者のケースがほとんどなので、教えてくれる人も相談する人もいません。
むしろ「周りから指図されず自由にできるからいいや」とか「成果さえ出せば仕事の進め方は任せて」といったスタンスの人のほうが向いているかも知れませんね。

転職案件

求人サイトで調べてみると「 Web 担当者」といったジャンルでは見つけることが難しく、 絞り込み条件で探していくようになります。

例えばマイナビ転職の場合、
「 (業界/職種)WEB ・インターネット」×「(検索ワード)担当者」

これからは中小企業でも社内にWEB担当者がいることが当たり前になってくれば、求人数も飛躍的に増えてくると思います。なにせ400万社もある企業が一斉に「これからはデジタルだ〜」と叫んでいるのですからチャンスしかありません!

マーケティング職に強い求人サービスをいくつかピックアップしましたので下記も参考にしてみてください。

求人情報を読み解く

私自身、事業会社時代は採用する側の立場でしたので、メディアへの求人掲載も行いましたし、何十人もの面接を行ったことがあります。ここでは求人情報の見るべきチェックポイントをご説明します。

職種

自社の業務を行うのかという点をチェックします。よく見るとクライアントに対する提案やサービス提供といったものもありますので注意してください。実際にはほぼ営業の仕事だったりすることも多いです。

年収

記載の金額は目安ぐらいに考えておきましょう。実際は経験年数や担当職種によってまちまちです。

転職の際は、自分の希望年収もしっかりと伝えましょう。面接していて「御社の規定にあわせます」という人が多かったですが損しているな〜と思います。

正直、転職時の交渉次第で50万円〜100万円の違いが出てくると思います。

背伸びしすぎると入社後が大変になるので、自分が適正だと思われる希望年収をしっかりと伝えるようにしましょう。

業務内容

通常は部署で行う業務をすべて書き出しているため、これ全部をひとりで行う必要があると考えなくても良いでしょう。

自分の得意分野をメインに、徐々に担当する領域を広げていくことを期待されています。逆に言えば、これ全部やってみたいと思えるチャレンジングな人のほうが受けもいいと思います。

応募条件

未経験者が応募する場合、ここに「未経験可」と書かれていない案件は、正直難しいと思います。

とはいえ、多くの企業がWeb人材の採用に苦戦していると思われますので、個人のブログやWebサイト運用、アフィリエイトの経験があればそれを切り口に交渉してみるのもひとつの手です。

求人募集サンプル例

[募集概要]
新規事業における調査、SNS運営、キャンペーン企画、Web広告を中心とした施策立案・実行など担当いただきます

[年収] 500万円

[具体的な業務]
・新規事業ブランドサイトおよびSNSの運営
・キャンペーン企画の立案、実行
・Webを中心とした広告施策の立案、実行
・新規事業ブランドの調査企画(定量・定性)の立案、実行(実査は外注)、集計データ分析、報告書の作成
・将来的にブランド単位でのECサイト運営もお願いする想定

[応募要件]
・広告代理店、および事業会社のマーケティング担当部署実務経験
・ECサイト運営の実務経験

面接でのポイント

ここでは私が面接をしていた時に重視していたポイントをお伝えします。企業によって異なると思いますが参考にしてみてください。以下の順番は私が面接していたときの優先順位です。

  • 人柄
  • 能動的に動いてくれそうか
  • 他の人と上手くやっていけそうか
  • 企業文化に馴染めそうか
  • スキルや経験があるか
  • すぐに辞めないか
  • 条件面でマッチできているか

ご覧のとおり、私の場合はスキルや経験はそれほど重視しませんでした。

なぜか?
企業によってWeb担当者の仕事内容や役割は異なるので、ベースとなる資質さえあればあとは学びながら成長してもらうことができると考えていたからです。

なまじ経験が長いと「以前のやり方では〜」「以前の職場では〜」という主張が強くとても扱いづらいケースも正直ありました。(以前の職場に戻れよ!と言いそうになりました笑)

人柄の良さや他のメンバーとの相性も重視しました。企業文化に馴染めるような柔軟性も大切ですね。

つまり、経験やスキルはあれば望ましいが、それよりも「人」を重視するということです。これは恐らくどの企業でも同じような傾向では無いかと思います。

逆に、スキルしか求めていない企業があれば、それはあなたでなくても誰でもいいということになりますし、企業がそのスキルを必要としなくなるとどうなってしまうんだろうと考えると怖くなりますよね。

ちなみに「スクールで勉強してきました」というのは、学ぶ姿勢は素晴らしいのですが実践ではあまり役にたたないことが多いので多少評価にプラスするぐらいの扱いでした。

Web担当者も業務委託や副業の時代

現状、デジタル人材の不足が顕著になっているため企業が正社員を登用しようとしてもなかなか採用できないのが現状です。

それに加えて働き方の多様化が広がり副業であったり業務委託の活用というのが中小企業の中にも広がりを見せてきています。

秘密保持の関係上を深く関わることが難しいかもしれませんが 、Web 担当者の経験を積むためにまず副業はじめるという働き方も近々当たり前になってくるのかもしれませんね。

Web担当者の勉強方法

この記事で紹介した「Web担当者の仕事内容や必要なスキル」に書かれていることを、広く浅く理解することが必要になってきます。Web 担当者になるために勉強する事は大きく2つあります。

1. Webに関する基本知識

  Web 広告、  SEO、 サイト制作、コンテンツ制作、アクセス解析など実務に必要な基礎知識です。これらの情報はネット上や書籍にもたくさん紹介されていますのでざっと目を通すことで必要な知識は得られることでしょう。

2. ビジネススキル・仕事術

例えばディレクション、プレゼン、プロジェクト管理といった Web 担当者としての仕事術になります。

これらの情報はなかなか書籍などでも学ぶことは難しく実践を通じて身に付けて行くしかありません。そのため実際に Web 担当者として活躍されている人に話を聞いたり、自分自身でもプレゼンや提案を考えたり日々の仕事の管理方法を工夫するなどをやっていきましょう。

必要な資格

Web担当者になるために絶対必要な資格というのはありません。

ウェブ解析士や Google AdWords 認定資格などの資格は自身の業務で使うのであれば有益だと思います。使う機会がないけどとりあえず取得しようというのはやめておきましょうね。

意外かもしれませんが私が Web 担当者をやっていく上で一番役に立ったのが「簿記」の資格です。

予算計画を立案したり、利益率なども考えて商品設計をしたりとお金に関する知識が必要になってくるからです。2級までは必要ないですが3級の資格があるとどんなビジネスにおいても役立つのではないかと思います。

スクール・セミナー・講座

Web 担当者を育成するためのスクールや講座は意外と少ないです。下記以外にもスクールや講座はありましたが、どちらかといえば広告運用に特化したようなものが多かったです。

これらのスクール講座は基本的にはオンラインで学ぶことが前提で、必要に応じ講師やメンターが支援してくれるといった内容です。

カリキュラムもどちらかといえば、Web広告や制作の専門知識をインプットする内容でしたので、基礎知識を学ぶにはいいけども、これだけで実践力を身につけるのは正直難しいかなと思います。

WEB担当者を長年経験した立場からすると、企業のサイト運営やコンサルの実践現場にインターン生として関わって、現場を肌身で体験できるようなカリキュラムがあればすごくいいと思うのですが、なかなか難しいのでしょうかね?

今後、リアルな経験を積むことができるマーケター育成事業を自分でやってみようかなとも考えています。

Web担当者におすすめする本

私はこれまでにマーケティングやビジネスに関する書籍を250冊以上読んできました。

素晴らしい本もあれば、あまり役に立たない本もありましたので、ここでは初心者〜中級者の方に読んでいただくと有益じゃないかな〜と思った本を厳選してご紹介いたします。

初級者向け

小さな会社・Web担当者になったら読む本(山田案稜)

初歩的な内容が分かりやすく書かれており、はじめて担当者になった際に読んでおくとよいでしょう。

自分の頭で考えよう(ちきりん)

「知る」ことと「考える」ことは別ものだという気づきを与えてくれた本。考える癖をつけることでビジネスを大きく変化させることができます。

沈黙のマーケティング(松尾茂起、上野高史)

マーケティング業界では有名な本ですね。ストーリー仕立てでマーケティングのことを分かりやすく説明してくれています。

中級者向け

マーケティング思考力トレーニング(黒澤友貴)

フレームワークを元に企業の事例をあてはめて実践的な学びができる本です。トレーニングに使えます。

デジタルマーケティングの定石(垣内勇威)

「顧客が買うまでの流れ」をもとにデジタルマーケティングの定石をまとめあげた名著。経験豊富なマーケターにも参考になる一冊です。

USJを劇的に変えたたった1つの考え方(森岡毅)

マーケティング業界の大御所、森岡さんの著書です。他の書籍に比べて読みやすく、USJでの事例を紹介しています。

デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法(西井敏恭)

単品通販に関わる方であれば読んでいただきたいです。通販ビジネスの核心をとらえておりとても勉強になります。

デジタルマーケティングの実務ガイド(井上大輔)

企業担当者のための書籍が非常に少ないので、井上さんのこの本はバイブルと言っても過言ではありません。内容が大企業向けなので差し引いて考えないといけませんが。

Web担当者になりたい方、現役担当者の方限定 相談窓口

最後まで本記事を読んでいただきましてありがとうございました!

私自身、以前からもっと世の中のWeb担当者が活躍できる環境作りをしたいという想いがありました。そこで悩めるWeb担当者の方やこれからWeb担当者を目指したい方が気軽にメールで相談できる相談コーナーを設けました。下記フォームからご質問いただければ私がお答えします。もちろん無料です!